失恋から立ち直るために必要なのは、忘れることではなく元カレへの感謝。「ようやくきちんとお別れできた」【作者に聞いた】

東京ウォーカー(全国版)

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封印していた楽しい記憶を思い出すと、自然と涙が溢れて心は穏やかに

今まで元カレのことを忘れようと努力していたが、本に書かれていたのは「元カレの姿をイメージして楽しかったことを思い出しましょう」という真逆のアプローチ。これを見たとき、率直にどう思ったのか聞いてみた。

「忘れたくて仕方ないのに何で思い出さなきゃいけないんだ!?と、最初はすごく嫌でした。ただ、思い出さないよう記憶を封印していたので、もしかすると思い出すことで悲しみから変化があるのかなと、期待もありました」


ドライブデートや水族館に行ったこと、他愛のない会話で笑いあったことなど、元カレのケンジ君との楽しい記憶を次々に思い出すみくるべさん。最後にイメージの中で感謝を伝えると、久しぶりに涙が出て心は穏やかになったそう。

「電話越しで一方的に泣かれて気づいたら関係が終わっていたので、ようやくきちんとお別れできた気がしました。実際に会って振られたとしても気持ちの整理がついたとは思えないので、私にとって必要なことだったと思います」

ちなみに今まで封印していた記憶を思い出す作業は、つらくなかったのだろうか。

「『楽しかったときにもう二度と戻れない』と考えると、寂しくて仕方なかったです。でも、わざわざお別れの宣言をせずとも疎遠になった人たちのことを思い出したんです。関係性を問わず、進む道が違えば自然と別れることもあるのだなと、納得しました。そして楽しかった思い出自体を否定せず、『あのときは幸せだった』と受け入れられるようになりました」


今までの「失恋のつらさを忘れる」とは全く違うアプローチを試してみて、前を向くことができたみくるべさん。「今思えば忘れようとすることって、逆にずっと気にしているからこそ忘れられないんだと気付きました」と振り返る。自身の体験を赤裸々に描く漫画も、いよいよクライマックス。今後も楽しみにしてほしい。


取材・文=石川知京

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