名古屋栄で“異世界”と交信!?ARを使った新感覚エンタメ「ImaginAR in NAGOYA」を体験してみた

愛知県名古屋市の栄地区で2024年3月26日から、NTTコノキューが提供する新感覚街あそびARアプリ「XR City」を使用した体験型エンターテインメント「ImaginAR(イマジナル) in NAGOYA」が開催されている。同イベントは、栄の街を舞台に、リアルとデジタルが融合した複数のストーリーを楽しめるもの。AR(拡張現実)を用いた演出により、いつもの街並みが物語ごとに異なる世界に変化する様子が体感できるという。一体どのような内容なのか、ライターが実際に体験！その様子をレポートする。

名古屋・栄地区を舞台に3つのストーリーが展開中

「ImaginAR in NAGOYA」では現在、体験型謎解きゲームや絶滅動物のコレクションなど、3つのコンテンツが展開中だ。好きなストーリーをチョイスし、自らが“主人公”となって物語の世界に飛びこもう！

「ウルトラセブン IF Story『55年前の未来』CaseFile AR196837 星と少女」

特撮テレビドラマ「ウルトラセブン」の重厚な世界観をベースにした体験型謎解きイベント 「ウルトラセブン IF Story『55年前の未来』CaseFile AR196837 星と少女」 。過去に放映された“とある事件”を題材にしたオリジナルエピソードで、ウルトラマンシリーズのファンはもちろん、「ウルトラセブン」の予備知識がなくても楽しめるので、ぜひとも作品を知らないという謎解き好きの人にも挑戦してもらいたい。

「UNIVERSE(ユニバース)」

「UNIVERSE」 は、人気謎解き制作団体「よだかのレコード」と、謎解きクリエイターの常春さんのコラボレーションによって制作された周遊型謎解きイベントだ。2023年に東京・池袋で実施され、大好評を博したコンテンツが名古屋栄バージョンとして再演。ドラマチックなストーリー展開とボリューム感のある謎解き要素に、AR演出が加わることで、より没入感の高い内容になっている。

「Hisaya-odori LOST ANIMAL Park」

スマホゲームアプリ 「LOST ANIMAL PLANET(ロストアニマル プラネット)」 に登場する絶滅動物が、オアシス21、セントラルパーク、Hisaya-odori Park、Blossaといった栄エリアの4施設にARで出現。迫力ある姿を、街の景色とともに写真に収められる。無料で楽しめるのもうれしいポイントだ。

ライターが挑戦するのはこの2つ！

今回は、謎解き初心者のライターが「ウルトラセブン IF Story『55年前の未来』CaseFile AR196837 星と少女」と「UNIVERSE」に挑戦！もちろん本記事内でストーリーや謎解きのネタバレは避けるが、無事にゴールまでたどり着けるか見届けてほしい。

【CaseFile AR196837 星と少女】「ウルトラセブン」に登場する“あの人”を探せ！

さっそく、「ウルトラセブン IF Story『55年前の未来』CaseFile AR196837 星と少女」を始めていく。まずは謎解き用のLINE公式アカウントに友だち登録することがファーストステップだ。するとLINEのトーク画面に「友里アンヌ」と名乗る女性が登場した。彼女は、行方不明になった「モロボシ・ダン」という男性を探しているという。捜索の協力を依頼され、超常現象調査団「PARTY」の一員として関連する事件を調査することになった。

調査に必要なアイテムが、前述の「XR City」アプリだ。このアプリに搭載された機能を使うことで、現実では“目では見えないもの”が可視化され、不可解な事象を調査するのに役に立つとのこと。アプリのダウンロード方法やARの操作方法などは、LINEのトークを通してキャラクターが丁寧に教えてくれるのでご心配なく。

アプリのチュートリアルが完了すると、捜査の一環として、本イベントに参加するために必要な「謎解きキット」(2000円)を指定の場所で購入するというミッションを与えられた。

「謎解きキット」の中には、調査(謎解き)のために必要な資料が入っている。なおLINEからも指示があるが、このほかの持ち物として 筆記用具 と スマートフォン用のイヤホン 、 モバイル充電器 を事前に準備しておこう。それでは、さっそく調査開始！

初めに調査のための聞き込みとして、いくつかの経由ポイントへ足を運ぶことに。スポット名の具体的な明言はないので、LINEのトークで送られてくる地図やヒントをもとに、指定の場所を探そう。目的地にたどり着いたら、キーワードを入手して謎を解き、その回答をもとにARアプリを起動。このように現実世界とLINE、謎解きキット、ARの間を行ったり来たりしながら、ストーリーを進めていく。

当然ながら、歩行中にスマートフォンを操作したり、画面を見るといったいわゆる"歩きスマホ”は危険なので厳禁！周囲に注意しながら、安全に調査を進めよう。

とある場所で追加キットを入手！そこに現れたのは!?

いくつかの謎を解き終えると、ストーリーの鍵となる経由スポットに到着した。ここで、ARを通して“ある存在”とご対面することに…！胸が高鳴る、重要なシーンの1つだ。ちなみに、音声の演出も重要なポイントなので、イヤホンを使用するなどして、聞き逃さないように集中しよう。

さらに、調査の手がかりとなる追加の資料(キット)が実際の店舗に設置されており、ARだけでなく物理的にもリアルな世界と物語の世界がつながる仕掛けになっている。ARを駆使してキーボックスを開けると、そこにはさらなる謎が…！

謎解きもいよいよクライマックス！感動のラストシーンは…

謎解きキットの中には、資料を見ながらじっくりと考える必要がある課題も含まれている。休憩も兼ねて、カフェやフリースペースなどの落ち着ける場所で取り組むのがいいだろう。なお、キャラクターからもストーリー上の自然な流れで「疲れていないかな」と休憩を促すLINEメッセージが届く。謎解きに夢中になって休むことを忘れてしまいそうだったので、ありがたい気遣いだった。

すぐに答えがひらめくクイズもあれば、かなり手こずった難題もあったが、キャラクターからヒントや助けをもらうことで、どうにか謎解きを完了。

全体を通してメッセージ性の高いストーリーで、切なくて涙が出そうになるシーンもあった。ゴールまでの目安所要時間は150分〜180分だが、時間に余裕をもってチャレンジするのがおすすめだ。

無料の「ウルトラセブン」コラボARも

ストーリーの進行中、ぜひチェックしてほしいのが現在「オアシス21 緑の大地」で公開されている「ウルトラセブン」55周年を記念して作られた特別ARコンテンツ。鑑賞は無料で、「中部電力 MIRAI TOWER(旧名古屋テレビ塔)」を背景に「ウルトラセブン」と「ウルトラセブン VS キングジョー」が、大迫力のARを通じて間近で見られる。詳細は「XR City」アプリを確認しよう。目の前に広がるスペシャルな光景に興奮すること間違いなし！

【UNIVERSE】周遊型謎解きに挑戦！“相棒”と事件を解決しよう

「UNIVERSE」は、電脳世界からやってきた“相棒”と、現実世界にいるプレイヤーがコンビを組んで、世界の平穏を守るために事件の解決に挑む、というストーリーだ。

「d garden名古屋栄店」で「謎解きキット」(2000円)を購入し、LINEの公式アカウントを友だち登録すると、ゲームが開始される。まずは、LINEのトーク上でプレイヤーの性格診断を実施。出題されるのは簡単な質問だが、回答を分析された結果、謎解きのための“相棒”が設定された。

性格診断の結果が反映されているので、当然相性ぴったりの相棒が登場…かと思いきや、なかなか一筋縄ではいかない相手のようだ。そんなキャラクターと時に協力し、時にぶつかり合う(!?)といったコミュニケーションも楽しい。

そんな“相棒”と共に、栄のさまざまな場所を周遊してキーワードを入手し、ARを活用して事件を解決へと導いていく。

なお本作の謎解きキットは、LINEからの指示に従って順を追って開封していくルールだ。このキットの中身もかなりの充実ぶりで、メモをとったり、紙を折り曲げたりと、さまざまな手段で暗号を解読していく。前述の「CaseFile AR196837 星と少女」同様、しっかり腰を据えて謎解きに挑もう。謎が難しくて解けない場合は、LINEからヒントや助けをもらえるので、初心者もあまり身構えずに挑戦してほしい。

謎を解きながらどんどん進んでいくストーリーにハラハラしたり、想定外の展開にゾクゾクしたりしながらも、遂にゴールへ到着！とある場所でスマートフォンをかざすと、感動のラストシーンが流れた。

謎解き終了後の特典として、苦楽を共にした“相棒”とARで記念撮影をしてゲームは終了。細部まで考え抜かれたストーリーにAR演出が加わることで「目の前で事件が起きている」という臨場感が生まれ、よりこの世界観にのめり込んでしまった。目安の所要時間は120～180分程度とされているが、休憩も考慮した時間を確保しておこう。

見慣れた街が異世界になる、新感覚の楽しさ

ゲームの舞台は、ライターにとって見慣れた栄の街。しかし、選ぶ物語によって、同じ場所でも異なるストーリー、ARが展開されるため、それぞれ全く別の世界を体感することができた。

2作品ともにミステリー要素の強い緻密なストーリーだが、さらにARならではの特別な演出が加わることで、より物語の世界観に没入する感覚が味わえるのが魅力だ。また、普段あまり行かない場所や、何気なく通り過ぎてしまうスポットにヒントが隠されているので、街に新しい視点や発見が生まれたのも収穫であった。そんな新感覚の“街遊び”を、ぜひ体験してみてほしい。


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