コーヒーで旅する日本/四国編|高松に神戸からの新風。「LIMA COFFEE ROASTERS TAKAMATSU」が街に広げる、新たなコーヒーカルチャー

東京ウォーカー(全国版)

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全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。瀬戸内海を挟んで、4つの県が独自のカラーを競う四国は、各県ごとの喫茶文化にも個性を発揮。気鋭のロースターやバリスタが、各地で新たなコーヒーカルチャーを生み出している。そんな四国で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが推す店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

白壁に大きくCOFFEEのロゴを掲げる店構え。焙煎中は通りにも芳しい香りが漂う


四国編の第6回は、香川県高松市の「LIMA COFFEE ROASTERS TAKAMATSU」。本連載の関西編にも登場した、神戸のLima Coffeeの県外初の姉妹店だ。2017年のオープン以来、喫茶店文化が根強かった高松のコーヒーシーンに、新たな風を吹き込む存在として注目を集めてきた。

今まで界隈にはなかった、カジュアルなコーヒースタンドは、いまやすっかり街に欠かせない存在として定着し、オープンな雰囲気の店内は老若男女が集う拠り所に。さらに、2年前から店長を務める須田さんは、メルボルンでのバリスタ経験を生かして、スペシャルティコーヒーの魅力を広げる取り組みに注力。新たな試みで、高松のコーヒーシーンをさらに盛り上げる一軒だ。

店長の須田さん


Profile|須田浩暉 (すだ・こうき)
1997年(平成9年)、千葉県生まれ。ワーキングホリデーでオーストラリア・メルボルンに渡り、現地のコーヒーカルチャーに触れてバリスタの道へ。現地のローカルカフェで約1年経験を積んだあと、奥様の地元・香川の土地柄に惹かれ、帰国後に移住。2020年から、「LIMA COFFEE ROASTERS TAKAMATSU」のスタッフとして店に立ち、2021年から店長を務める。

高松のコーヒーシーンを変えた神戸からの新風

広々としたカウンターには、エスプレッソ、ドリップ、サイフォンと多彩な抽出器具が並ぶ

高松から、“こんぴらさん”を結ぶ琴平電鉄、通称ことでんのターミナル、瓦町駅。駅前の目抜き通りを歩くと、ほどなくして現れる「LIMA COFFEE ROASTERS TAKAMATSU」の真っ白な店構えは、街なかでも目を引く存在だ。一見、間口は狭いが、奥行きのあるフロアでは、老若男女を問わず幅広い世代が、思い思いのコーヒーブレイクを楽しんでいるのが印象的だ。

「僕がここで働こうと決めた理由は、スタッフ、お客さんも含めて、生き生きとしている人が集まっているから。年齢も高校生からご年配まで幅広く、ウェルカムな雰囲気とコミュニティの広がりに心地よさを感じました」とは店長の須田さん。神戸に本店を持つLima Coffeeの初の姉妹店としてオープンしたのが5年前。当時はサードウェーブの波が広がり始めた頃だが、「この店ができるまで、高松ではスペシャルティコーヒーのロースターや、スタンドスタイルの店はほとんどなかった」という通り、新たな波はまだ届いていなかった。そんな中で、「LIMA COFFEE ROASTERS TAKAMATSU」の登場は、界隈のコーヒーシーンを大きく変える存在だった。

奥行きの広い店内は、モノトーンを基調にすっきりした印象に


Lima Coffeeを高松に呼び込んだのは、初代店長にして現在はマネジャーを務める林 憲太郎さん。学生時代を過ごした関西でコーヒーシーンの変化をいち早く感じ、神戸の本店に足繫く通っていたことが縁で、地元香川への姉妹店出店に参画。昔ながらの喫茶文化が根強い香川に、関西から新たなコーヒーカルチャーを根付かせることができればおもしろい、との思いから高松を勧めたことで実現したのがこの店だ。須田さんが店に立つようになった3年前には、「年齢関係なくコミュニケーションを取っている店内の光景に、メルボルンのカフェと同じ空気を感じられた。コーヒーを通じて人が集まっている場所が、日本にもあったんだと思いました」と、すっかり街に欠かせぬ場として定着している。

カフェラテS500円。繊細なラテアートも楽しみの一つ


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