コーヒーで旅する日本/九州編|若き夫妻が営む「Rametto」。目指すのは唯一無二の世界観と味わい

九州ウォーカー

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全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。
なかでも九州はトップクラスのロースターやバリスタが存在し、コーヒーカルチャーの進化が顕著だ。そんな九州で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

ワイングラスで供する中煎りブレンドで淹れたアイスコーヒー

九州編の第34回は、宮崎市にある「Rametto」。店主の後藤洸大さんは弱冠22歳と若いが、独自の世界観を持ち、アンティークの家具や調度品、ドライフラワーに囲まれた独特な空間を創出。そのフォトジェニックな店づくりが注目を集め、Instagramのフォロワーは1.2万人を有する。一方で、店の世界観だけが同店の魅力ではない。柱とするコーヒーは手回し焙煎、抽出はネルドリップと、明確なこだわりが光り、味わいに関しても高いクオリティを表現。洸大さん、奥さんの真弥さんともに20代と若い2人が持つ感性の根源を探る。

店主の後藤洸大さん(右)、真弥さん(左)夫妻

Profile|後藤洸大(ごとう・こうだい)、真弥(まや)
1999(平成11)年、宮崎県宮崎市生まれ。高校を中退後、17歳から飲食の道へ。ヨーロッパ、特にフランスの世界観やアンティークに興味があったことから、フランスの文化を知る意味で最初は地元のビストロにて勤務。その後、福岡に移住し、カフェレストランで調理やサービスを勉強。20歳で、福岡市南区の井尻商店街に「Rametto coffee room」を奥さんの真弥さんと一緒に開業。約1年後に洸大さんの地元、宮崎に帰郷し、2021年12月、「Rametto」をオープン。焼き菓子作りやサービスを主に担当する真弥さんは、北九州市出身で、洸大さんと同じく古いものやアンティークが好き。店内の家具や調度品も、洸大さん、真弥さんが2人でコレクションしたものだ。

別世界へと誘う、二人の独特な感性

【写真】ドライフラワー、アンティークの家具と調度品が非日常感を演出

「Rametto」があるのは、JR宮崎駅から車で約8分の住宅が建ち並ぶエリア。アパートの1階と外観は一般的なカフェの様相だが、店に入ると世界は一変する。天井一面を覆う、無数に吊り下げられたドライフラワー、フランスやイギリスのアンティーク家具などに囲まれた店内は、まるでヨーロッパの森の中にひっそりとたたずむ旧居のよう。この世界観を若い洸大さん、真弥さんの2人で作り上げたことにまず驚かされる。「子供の頃に両親に連れられて行った喫茶店で、アンティークやコーヒーの世界に引き込まれました。コーヒーはもちろん、古いものに大人の世界を感じ、純粋に憧れましたね」と洸大さん。

フランスやイギリスのアンティークが多い

そんな体験から洸大さんはコーヒーを柱としたカフェを開くことを夢見た。17歳からヨーロッパの文化を”食”というシーンから学びたいと考え、宮崎市のビストロで働き、その後、18歳で福岡に移住。カフェレストランに勤め、驚くことに20歳の時に福岡市内で自身の店を開く。

「Rametto」はイタリア語で小枝の意。「お客さまにとって止り木のような存在になり、僕ら自身、常に新たな芽吹きがあるように命名しました」と洸大さん

井尻商店街で「Rametto coffee room」という屋号で独立し、「雰囲気がステキ」「スイーツもドリンクもおいしい」とオープン後、すぐに人気店に。もちろん当時からコーヒーは自家焙煎し、ドライフラワーやアンティークに囲まれた空間とするなど、今と同様、独自のこだわりを持って店づくりを行ってきた。店には多くのファンが付き、順調だったが、とある事情から故郷の宮崎に帰郷することに。そこで移転という形で、2021年12月、宮崎市内に「Rametto」をオープンさせたというわけだ。

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