「江戸時代はワクチンやクーラーなくても生きてたよ」意識高い自称・自然派ママに困惑!【漫画の作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

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Instagram( @rinu.illustjob )とブログ「たらちね漫画」で、子育てを中心に、自身の経験を漫画にして発表している河野りぬさん。今、話題を呼んでいる 「自称・自然派ママと分かり合えなかった話」 は、近所にある雑貨店のオーナーであり、自然派を自称する「とあるママさん」とのエピソードを描いた内容だ。

おしゃれな雑貨店を営む“自称・自然派ママ”との出会い

りぬさんが幼い長男との閉塞感に悩み、人との交流に飢えていたころ、近所にできたおしゃれな雑貨店を訪ねるところから話は始まる。雑貨店では、雑貨のほかに食品も扱っていて、オーナー手作りの調味料を販売。原材料にこだわって化学調味料、添加物を一切不使用にするなど、自然派調味料が魅力のお店だ。

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共に小さい子供がいるため、話し相手ができるかもと喜んだりぬさん。しかし、そのオーナーは「『給食嫌だし、勝手にオヤツ出されたりもする』ため、子供は幼稚園には通わせていない」など、独自の信念を持っている“自称・自然派ママ”だった。りぬさんは「もしかして分かり合えないかも」と思い始めることに…。

それでも、オーナーが地域のママとつながるために主催している“青空保育”に誘われ、りぬさんは興味本位から長男と出かけることにする。

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第1話のコメント欄には、読者から「おもしろい予感しかしない」「ワクワク、楽しみ」という声が多く、興味深いタイトルに惹かれる人も。「『自然派』と言うと、本来は優しいイメージなんですけど、Twitterで猛烈なレスバトルしているのを見て、怖さを感じて(笑)。同じように感じている人は多いだろうと思ってこのテーマ、タイトルにしてみました」とか。

漫画のなかで「江戸時代はワクチンなどなくてもみんな生きていた」「江戸時代にはクーラーなんてない中、工夫していた」など、独自理論を展開するオーナー。りぬさんが彼女と特に分かり合えないと感じるのは「頻繁に江戸時代を持ち出してくるところと、『私は違う考えの人も否定しない』と言っていたのに、結局考えを押し付けてきた所です(笑)」と言う。

漫画は2023年5月7日現在、9話までアップされていて未完。「大体、全13話くらいの想定です。展開的には、相手のママさんと分かり合えない点がより明らかになっていきます」と、今後の展開も興味深いところだ。

彼女のかわいらしい人間的な部分も描きたい

本作で描きたかったのは「どんなに素敵な考えも、相手の立場に立って伝えないと反感買うよね、ということです。あと、ちょっと矛盾するかもしれないんですが、件のママさんはセンスもあるしポジティブで社交的なかわいらしい人ではありました。なので、最後には人間的な部分を知ってもらいたいな、と思って描いています」

しかし、同じようなお付き合いに困っていたり、悩んでいたりする人もいるのでは。りぬさんは「私の失敗は、深入りし過ぎたことです!適切な距離を保って、当たり障りのない話題でつながるのはよいと思います」とアドバイスをくれた。

過酷な業務が続く仕事と、部下からの逆パワハラを受けて鬱になった実体験を描く

もう1つ、未完の 「管理職になったら鬱になった」 も続きが気になる作品だ。

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これは、りぬさんがあるウェブサービス運営会社に勤務していたときの実体験をつづったコミックエッセイ。

営業補佐として働いていたりぬさんが、ある日突然、経験のないクリエイティブ部門の管理職に任命された。最初はやる気満々だったが、段々とブラックな実態が発覚。異動して半年くらいで、自分を罵倒する自分の声が頭の中で聞こえ始める。大人の発達障害発覚や部下からの逆パワハラなどを経験し、精神的に立ち上がるまでの話が展開される予定。現在の最新話は35話(2023年5月7日現在)。

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この作品は「自分にとって重要な出来事だったので、記録しとこう、という気持ちでした」と、仕事を辞めて7年ほど経ってから描き始めたという。漫画には徹夜続きの業務の過酷さや、何度もミスをする部下への対応、厳しい言い方で追い込んでくる外部関係者など、同じような境遇を経験した人なら、その風景が目に見えるほど詳細に描かれている。

「同じような環境にいる人にはいろいろ気になることはあるかもしれないですが、なんとか逃げてほしいなと思います。あとは、どうやって葛藤する自分自身と和解したかを本編で描きたいのですが、展開的にまだ先なので頑張って描きます…」と、これからの展開が気になるばかりだ。

読者からの反応では「ほんとにこんな人ばかりなのか、就活生には見せられない、とか。IT系へのイメージ変わった、とか言われました(笑)。 あとは発達障害に関する共感が多かったです」。まだまだ先は長そうな展開だが「年内に終わらせるぞ!!と意気込んでおります」と語る。

今後については「興味があるのは『家族』や『生きづらさ』とかなんですが、とっつきやすい話題をちょっと描いてすぐ出す、みたいなのもやっていきたいです。あとは創作読み切りも描きたいです。いつか描いたものが書籍になったり、社会の中で役に立ったりする形で使われたらうれしいなぁと思っています」とのこと。未完の2作品はもちろん、今後の漫画も注目していきたい。

取材・文=澤田佳代

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