見た目や食材が豪華じゃなくてもいい…作れただけでOK!体調が悪い日の“鶏肉のソテー”「心曇る日は ご自愛ごはんを」【作者インタビュー】

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

つらくても「食べる」、「食」を通じて心の病から少しずつ自分を取り戻していく、そんな経験を描いたコミックエッセイ「心曇る日は ご自愛ごはんを」。連載第6回目は、皮がパリパリの鶏肉のソテーを紹介。鶏肉と塩こしょうがあればできる、シンプルなのに満足感ある一皿だ。


会社員として忙しくも充実した日々を送っていたある日、ふとした仕事のミスをきっかけに体調を崩してしまった作者のうめやまちはる( @umeyama_chi )さん。病気がもとで退職したあと、結婚。専業主婦をしながら回復に専念するも、なかなかよくならないことに不安を感じていた。病気の症状とわかっていても「あたりまえにできていたことができない」せいで、どんどん自信を失っていく。そんなとき、そっと寄り添ってくれたのは毎日の「食卓」だった。生きるために食べる。食べるために料理をする。そのささやかな繰り返しに、少しずつ心がほどけていく。

降っても晴れても、 心を癒やす時間は自分で作りだせる「心曇る日は ご自愛ごはんを」うめやまちはる/KADOKAWA


うめやまさんが自身の経験をもとに綴った本作は、第11回新コミックエッセイプチ大賞を受賞。「食」を通して取り戻していく日常の中に、大切な何かをきっと見つけることができるはず。

体調が悪い日に作った夕ご飯…思い出すのは父の味

心の病を抱えながらも毎日のご飯づくりを頑張っていたうめやまさん。しかし、生理の日にソファで眠ってしまい、気づけば夕飯の時間になっていた。慌てて冷蔵庫に残っていたトマトとキュウリを切って、冷凍鶏肉を焼くことで一汁三菜にはなったが、そのシンプルな食卓を見て父の味を思い出す。

6話「鶏肉のソテーと父の味」 1/12うめやまちはる/KADOKAWA

6話「鶏肉のソテーと父の味」 2/12うめやまちはる/KADOKAWA

6話「鶏肉のソテーと父の味」 3/12うめやまちはる/KADOKAWA

6話「鶏肉のソテーと父の味」 4/12うめやまちはる/KADOKAWA


うめやまさんが子どものころ、週に1回、父が夕ご飯を作る日があった。毎回同じメニューばかりで、あのときは不満を抱いていたが、今なら料理ができない父なりに精一杯頑張ってくれていたことがわかる。

6話「鶏肉のソテーと父の味」 5/12うめやまちはる/KADOKAWA

6話「鶏肉のソテーと父の味」 6/12うめやまちはる/KADOKAWA

6話「鶏肉のソテーと父の味」 7/12うめやまちはる/KADOKAWA


「ごはんが作れただけでも花丸!」マインドで

ごはんは毎日必要なものだからこそ、作る人ができる分だけでいい。慌てて作った鶏肉のソテーを美味しそうに食べる旦那さんを見て、完璧を目指しすぎていた自分に気づく。今回のエピソードについて、うめやまさんに聞いた。

――切っただけ、焼いただけといった、いわゆる手数が少ない料理は手抜きと思ってしまいがちなのは、なぜなのでしょうか。

なんででしょうね…?今まで生きてきたなかで刷り込まれてきた価値観ではそうなってしまっているんだと思います。でも家庭での料理ですし、気負わず、そのときそのとき出来たものをおいしく頂けばいいですよね。

6話「鶏肉のソテーと父の味」 10/12うめやまちはる/KADOKAWA

6話「鶏肉のソテーと父の味」 11/12うめやまちはる/KADOKAWA

6話「鶏肉のソテーと父の味」 12/12うめやまちはる/KADOKAWA


――新コミックエッセイプチ大賞に本作を応募する前から、もともと絵や漫画を描いていたのでしょうか?

高校・大学と絵の勉強をしていました。子どもの頃から20歳までは漫画家を目指していたので、漫画を描いたことも少しあります。退職してからまた少しずつ漫画を描くようになりました。

――「心曇る日は ご自愛ごはんを」に登場するメニューはどのようにして選んでいるのでしょうか。どれもみな、うめやま家で実際に食卓に並ぶメニューばかりなのでしょうか。

メニューは自分の心が励まされたエピソードに関連した料理を中心にピックアックして描きました。普段よく食べるものでもあります。日常の何でもないところからその温かさに触れ元気になってきたので、その温かさが伝わるようなものを選びました。

――読者に向けてメッセージをお願いします。

私は体調が悪くて作れない…という切り口で描きましたが、仕事や子育てなどで思うように料理を作れず罪悪感を抱えていらっしゃる方もおられるのではないかと思っています。そんな方に、そのときそのときできるもので十分!ということをお伝えできていればうれしいです。


料理が得意な人も、そうでない人も、ふと作ってみたくなる、食べてみたくなるような心に沁みるレシピが登場する「心曇る日は ご自愛ごはんを」。今後も連載形式でお届けしていく。

取材協力:うめやまちはる(@umeyama_chi)

この記事の画像一覧(全114枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

いちご狩り特集

いちご狩り特集

全国約500件のいちご狩りが楽しめるスポットを紹介。「予約なしOK」「今週末行ける」など検索機能も充実

ページ上部へ戻る