【漫画】コロナ禍で広まる在宅勤務。悲喜こもごもの“リモートあるある”「在宅勤務子ちゃん」が胸に刺さる

東京ウォーカー(全国版)

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コロナ禍が普及の後押しになったテレワークや在宅勤務。これまで当たり前だった通勤や、オフィスで過ごす時間が少なくなったことで、メリットとともに戸惑いを覚えた人も多いはず。そんな突然の在宅勤務に直面した人々の"今"を描き、話題となった漫画が一秒( @ichibyo3 )さんの「在宅勤務子ちゃん~わたしたちのリモートワーク日記~」(コルクスタジオ)だ。昨年から「通勤がなくなってギリギリまで寝られる」「独り言が増えた」「金曜日なのにワクワクしない」といった在宅勤務での変化を切り取った漫画をSNSに掲載。今年3月には描き下ろしも含め書籍化されるほどの反響を呼んだ。今回は作者の一秒さんに、アイデアの源や在宅勤務の漫画家だからこそのコロナ禍社会の見え方についてインタビューした。

【漫画】「在宅勤務子ちゃん」本編を読む画像提供:一秒(@ichibyo3)


在宅勤務は雑談も“コスト”、変化する「当たり前」を漫画に


――「在宅勤務子ちゃん」を描き始めたきっかけを教えてください。

「当時ネットを見ていると、慣れない在宅勤務でストレスが溜まっている人がいるように感じました。確かにオフィスに通ってる人がいきなり家で仕事するのは戸惑うことも多いと思います。そのギャップを漫画にしたら面白そうだなあと思ったので描き始めました。自分自身も漫画家で在宅勤務でしたので、ある程度ネタのストックがあったのも理由のひとつです」

――作中のアイデアはどんなところから生み出されたのでしょうか。

「ほとんどは私の想像や実体験です。ただ途中からはSNS上で体験談を募集したりもしました。おかげでリアリティのあるネタになったのかなと思います」

――WEBでの作品発表時、読者からの反響で多かったものや印象に残っているものはありますか。

「在宅勤務11日目の『仕事相手と雑談したいけど雑談しようと言えない』エピソードは共感の声が多くありました。出社すれば同僚と話すのは普通のことですが、在宅勤務だと“雑談”をもちかけること自体コストがかかってしまう。それがプレッシャーでますます人と話さなくなって気持ちが落ち込む…。人には『雑談欲』というものがあって、満たされないと孤独感に陥ってしまうのかもしれません(笑)。これまで当たり前だったことが当たり前じゃなくなった、という意味でも多くの人の関心を呼んだのかな、と思います」

在宅勤務子ちゃん11画像提供:一秒(@ichibyo3)


――本作執筆時に気を付けたことやこだわった点を教えてください。

「とにかく毎日連載することを重視していました。ネタの構造上、鮮度が大事でしたのでライブ感を大切にしていました。主人公にいかに共感してもらえるかを意識して、「自粛で辛いけど読者とみんなで毎日乗り越えていこう」という気持ちで描いていました」

「メンタルが快調になる人と、不調になる人が…」在宅勤務の漫画家から見るコロナ禍での気付き


――一秒さんは漫画家として在宅でお仕事をされていますが、コロナ禍で自身の変化や気づきはありますか?

「自分自身はあまり変化がないです。ただ取引先がどんどん在宅勤務になっていき打ち合わせもすべてオンライン会議になったのはすごい変化だと思いました。これまでは『とりあえず会って打ち合わせ』が慣例でした。それがなくなり快適であると同時に、仕事相手の方ときちんとコミュニケーションをとれているか少し心配になることもあります」

在宅勤務子ちゃん8画像提供:一秒(@ichibyo3)


――一秒さんの周囲では、在宅勤務によって「こんなことが変わった」といったエピソードはありますか?

「在宅勤務になってメンタルが快調になる人と、逆に不調になる人がいるのが興味深かったです。出社が苦痛だった人にとっては在宅勤務は快適ですが、もちろんそういう人ばかりではありません。また最初の頃は適応していても1年以上在宅勤務で段々精神的に辛くなってきている知人もいます。在宅勤務と出社、両方のメリットを生かしつつバランスよくやっていけたらいいなあ、と個人的には思います」

――コロナ禍で在宅勤務が続いている人が多い今、作者からのメッセージがあればお願いします。

「最初の緊急事態宣言から1年以上たち、在宅勤務継続中の方も多いかと思います。この数年で本当にいろいろなことがありました。あまりの変化に精神や体調を崩してしまっている方もいらっしゃるかもしれません。作中でも書いたことなのですが、とにかく今を生き延びることを最優先にしてほしいなと思います。そのためにはエンタメでも食べ物でも自分を大いに甘やかしてあげてほしいです。今は非常事態。だけれどもこれが日常でもあります。あまり根詰めず、主人公のタク子のようにこの日常をのらりくらりやっていきましょう」

在宅勤務子ちゃん32画像提供:一秒(@ichibyo3)


在宅勤務が新しい日常になりつつも、いつかは以前の暮らしに戻るという期待の淡いにある今。在宅勤務に翻弄される人、不安を感じる人、歓迎する人、さまざまな視点から描かれた漫画を読んで癒やされてみてはいかがだろうか。

取材協力:一秒(@ichibyo3)

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