リモートワーカーの約75%が「メリハリのなさ」を実感、コロナ禍を契機に見直したい「時間の使い方」とは

東京ウォーカー(全国版)

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リモートワーカーたちの時間の使い方は?(C)GettyImages

コロナ禍により新しいライフスタイルを体験している今、日本人の「時間意識」はどう変化したのか。アンケート調査を実施したところ、生活者の8割が「生活変化を実感」し、リモートワーカーは4人に3人と、多くの人が「時間のメリハリのなさ」を感じていることが分かった。

リモートワーカーは74.7%が「時間のメリハリをつけにくくなっている」と回答


『セイコー時間白書』を2017年から発表しているセイコーホールディングスは、6月10日「時の記念日」にちなんで、全国の10~60代の男女1200人の生活者に対し、今年も「時間についての意識や実態」を探る調査を実施。また、時間を守る生活行動の定着を目指して制定された「時の記念日」が100周年を迎えることから、「日本人の時間を守る生活行動」についての調査も行った。

【写真】新型コロナウイルス問題の発生以降、仕事や生活などに変化は?


まず、新型コロナウイルス問題の発生以降、「仕事や生活などに変化があったか」と聞くと、全体の83.1%が「変化があった」と回答。仕事をしている人(83.4%)もしていない人(82.6%)も、ほぼ同数が変化を感じていた。そして、仕事をしている人のうち、リモートワークをしている人は、多数の人(94.1%)が「変化があった」と回答。変化の度合いをより大きく感じているようだった。

そこで、働き方の違いによる時間価値の変化についてもリサーチ。「最近の時間のメリハリ」について聞くと、全体では68.8%が、リモートワーカーでは74.7%が「時間のメリハリをつけにくくなっている」と回答し、自宅にこもる生活で苦戦していることが判明。また、「仕事に関する時間がたつ速度」について聞くと、働いている人全体では30.7%が、リモートワーカーでは43.5%と2人に1人が「速く感じる」と回答した。リモートワーカーは、自宅で仕事をすることで、オンオフの切り替えや時間のメリハリが曖昧になり、区切りがないまま時間を過ごしてしまっているのではないだろうか。

2人に1人は仕事時間が速いと実感


さらに調査では、生活行動の一つ「他人との待ち合わせ」についてもアンケートを実施。「友人とどう待ち合わせするか」問うと、「前もって時間、場所をきっちり決めて集合する」が68.9%と最も多く、時間を守る日本人らしい行動が浮き彫りになった。

これを年代別に見ると、どの世代でも「きっちり決めて集合」が主流となったが、若い世代では「大体の時間と場所を決めて、移動しながらLINEなどで調整する」を選択する人が多く、20代では39.0%と5人に2人が“現場合わせ派”という結果に。待ち合わせ方法は、若い世代から変化の兆しを見せていた。

20代では5人に2人が“現場合わせ派”


先のことを詳細に決めるよりも「現場に合わせて臨機応変に」という時代。調査では、「平日の昼休み」はマルチタスク型が一般的となっていることも分かり、待ち合わせ方法同様、時間の合理化・効率化が図られている様子だ。

1日平均49.9分だという平日の休み時間、「することとそれにかける時間」を聞くと、「食事」が20.7分、「テレビ」が15.7分、「メール・SNS確認」が10.2分となり、すべての項目を合計すると88.7分に。つまり、50分の時間の中で90分の行動が実行できるよう、人々はあれこれ同時に行っている…ということがうかがえる結果となったのだ。テクノロジーの進化と共に、時間の使い方も変化している。

「平日の昼休み」もマルチタスク型が一般的に


「時間学」の一川誠先生に聞く、“新しい生活様式時間”の付き合い方


今回のコロナ禍を契機に、「公共の時間」と「個人の時間」という、2つの時間軸の存在に気付かされることになり、改めて時間の使い方を見直すことになったが、参加も退室も気ままな流行りの「オンライン飲み」や、回答にも出てきた「LINEを使った現場待ち合わせ」など、新たなテクノロジーやさまざまなデバイスは今後も頼もしい相棒に。

アンケート結果を基に、心理的なアプローチによる「時間学」を提唱する一川誠先生に話をうかがうと、「今回の災禍を契機として何ができるのか、アフターコロナは公共の時間と個人の時間がどのように変わるのか、時間の観点からあれこれ考えてみるいい機会かもしれませんね」とのコメント。リモートワークで陥りやすいメリハリ不足についても「web会議など他の人との共同作業の時間を作ったり、疲れたらお茶を飲んできちんと休憩したり、好きな音楽を聞いて作業を区切ってみるなど、作業内容の濃淡をつける工夫をしてみてください。リズムは人それぞれであることを理解し、まずは、いろいろと試してみて、自分なりのリズムの作り方をつかんで」とアドバイスをくれた。

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